実家の片付け、どこから?進め方と費用の考え方
長年暮らした実家には、物も思い出もたくさん詰まっています。だからこそ片付けは、体力だけでなく気持ちの面でも大変な作業です。家族でもめず、疲れきらずに進めるための段取りと、費用の考え方を整理します。

「いつやるか」で、負担が大きく変わる
片付けには、大きく分けて親が元気なうちに一緒に進める「生前整理」と、亡くなった後に行う「遺品整理」があります。可能であれば前者のほうが、本人に「これは残したい」「これは処分していい」を確認でき、家族の気持ちの負担も軽くなります。「まだ早い」と感じても、少しずつ始めておくと後がずっと楽です。
進め方の段取り
1. いきなり全部やろうとしない
家じゅうを一気に片付けようとすると、必ず途中で息切れします。「今日は押し入れ一つ」「次は台所」と場所を区切って進めましょう。
2. 「残す・処分・迷う」の3つに分ける
迷う物は無理に決めず、いったん「保留」の箱へ。判断を先送りできる仕組みがあると、作業が止まりません。
3. 大事な物・書類を最優先で確保
通帳・権利証・保険証券・年金や契約の書類、そして写真やアルバムなどの思い出の品。これらは処分の勢いで一緒に捨ててしまわないよう、最初に別に取り分けておきます。
4. 家族で「捨て方の温度差」を話しておく
片付けでもめる原因の多くは、物の価値観の違いです。「まだ使える」「もう要らない」で衝突しがち。作業前に一言、方針をすり合わせておくだけでトラブルはぐっと減ります。
費用の考え方
片付けを業者に頼む場合の費用は、物の量(間取り)・作業人数・処分する物の種類・搬出のしやすさで大きく変わります。同じ「一軒分」でも、状況次第で金額に幅が出るため、ネットの相場だけで判断せず、複数の業者に現地を見てもらって見積もりを取るのが確実です。
- 自分たちで進める:費用は抑えられるが、時間と体力が必要。粗大ごみは自治体のルールで処分。
- 業者に頼む:早くて楽だが費用はかかる。見積もりは必ず内訳を確認。
- 買取・寄付を組み合わせる:家具・家電・骨董などは買取に出せる場合も。処分費を減らせることがあります。
片付けの全体像
実家の片付けは、家の広さより物量と、判断できる人がいるかどうかで難易度が決まります。まず全体の流れを押さえてください。
| 段階 | やること | 目安 |
|---|---|---|
| 1. 確保 | 貴重品・重要書類を探して確保する | 半日〜1日 |
| 2. 記録 | 全部屋を写真に撮る。きょうだいに共有 | 1時間 |
| 3. 衛生 | 冷蔵庫、生ごみ、期限切れの食品・薬 | 半日 |
| 4. 仕分け | 残す/売る/譲る/捨てるに分ける | 部屋ごとに数時間 |
| 5. 搬出 | 粗大ごみ、回収業者、買取 | 収集日に合わせる |
| 6. 仕上げ | 清掃、鍵と光熱費の整理 | 半日 |
1と2を飛ばさないでください。いきなり仕分けから始めると、通帳や権利書を紙の束と一緒に捨ててしまう事故が起きます。→ 貴重品・重要書類、片付け前に確保すべきものリスト
費用の考え方
自分でやるか、頼むかで大きく変わります。判断の材料を挙げます。
| 自分でやる | 業者に頼む | |
|---|---|---|
| 費用 | ごみ処理費のみ(1点数百円〜) | 間取りと物量による(数万〜数十万円) |
| 時間 | 一戸建てなら3回以上の帰省 | 1〜2日 |
| 交通費 | 往復ごとに発生 | 立ち会い1回分 |
| 体力 | 大型家具の運び出しが壁になる | 不要 |
| 判断 | 自分で全部決められる | 残す物を先に分けておく必要がある |
片道2時間以上かかるなら、交通費と休みを合計すると、頼んだほうが安く済むことがあります。1回目の帰省で見積りだけ取っておくと、比べられます。→ 遺品整理業者に頼むときの費用相場と契約前の確認事項
迷ったときの判断基準
- この1年で使ったか──使っていなければ、これからも使いません
- 持ち帰るとして、置く場所があるか
- 同じものを、いま買い直すか
- 写真で残せないか──物より記憶が残ればよいものは、撮って手放す
- 誰かが引き取ると決まっているか──「誰か欲しいかも」は、決まっていないのと同じです
迷った物は保留箱1つに入れて、次回に持ち越してください。箱を増やさないことだけ守れば、片付けは進みます。
先に決めておくと楽なこと
- ごみカレンダーを確認する──粗大ごみは申込から収集まで2週間〜1か月かかることも
- 指定ごみ袋を現地で買う──これがないと、その日の作業がむだになります
- 持って行く道具──厚手の手袋、マスク、養生テープ、油性ペン、カッター
- 今日やる範囲──「この1部屋だけ」と決める
- きょうだいへの共有方法──写真を送るグループを作っておく
→ 片付けを始める前に用意する道具と、当日の段取りリスト/実家の片付け、遠方の場合のスケジュールの立て方
場所別の進め方
| 場所 | ポイント |
|---|---|
| 台所 | 期限切れの食品から。反対されにくく、弾みがつく |
| 押し入れ・天袋 | 脚立を使う。中を見ずに捨てない。通帳や証書が出ます |
| タンス | 1棹ずつ全部出し、戻す物だけ選ぶ |
| 書類・本 | 間に現金やはがきが挟まっています。振ってから処分 |
| 庭・物置・車庫 | タイヤ、塗料、農薬など普通に捨てられない物を先に分ける |
| 写真・アルバム | 最後に。ここから始めるとその日が終わります |
→ 実家の押し入れ・天袋の片付け/実家の庭・物置・車庫の片付けと不用品の扱い/大量の写真・アルバムの整理とデジタル化
よくある質問
Q. 親がまだ住んでいます
本人の同意なく減らさないでください。危ないものから、一緒に片付ける形で。→ 実家の片付けで親とけんかしないコツ
Q. 物が多すぎて、手がつけられません
安全に関わる場所(玄関からの通り道、火の元)だけを先に確保してください。→ ゴミ屋敷化した実家、どこから手をつける?
Q. 相続の手続きが終わっていません
相続人が複数いる場合、勝手に処分すると後で揉めます。全員の同意を取ってから作業日を決めてください。
Q. まだ使える物が大量に出ます
→ まだ使える家具・家電、買取・寄付・譲渡の選択肢
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本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、医療・法律・税務・不動産取引などの個別の判断に関する助言ではありません。制度・費用は地域や時期により異なります。実際のご判断は、自治体および各分野の専門家にご相談ください。