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空き家・実家

実家のブロック塀、地震で倒れたら責任は?点検のポイントと費用の目安

久しぶりに帰った実家で見落としがちなのが、道路に面したブロック塀です。傾きやひび割れの見分け方、倒れて他人にけがをさせた場合の所有者の責任、撤去・改修費用の目安と自治体の補助制度まで、確認しておきたい点を整理しました。

お盆やお彼岸に久しぶりに実家へ帰ると、家の中はよく見るのに、外回りは意外と素通りしてしまいます。なかでも見落とされやすいのが、道路に面したブロック塀や門柱です。人が住まなくなった家ほど手が入らず、傾きやひび割れが何年も放置されていることがあります。

塀は「壊れても自分の敷地の中の話」ではありません。歩道側に倒れれば、通行人や隣家に被害が出る可能性があります。ここでは、素人でも確認できる点検のポイント、倒れた場合の責任の考え方、撤去や改修にかかる費用の目安を整理します。

まずは外から見てわかるサインを確認する

専門的な調査をしなくても、次のような点は帰省したときに目視で確認できます。スマートフォンで写真を撮っておくと、次に帰ったときの比較材料になります。

  • 塀が道路側や隣地側に傾いていないか(塀のきわに立って、上端を目線でたどると分かりやすい)
  • 縦や横に大きなひび割れがないか。ひびから鉄筋のさびが染み出した茶色い筋が出ていないか
  • ブロックの継ぎ目のモルタルが崩れて、指で触るとぼろぼろ落ちないか
  • 塀の足元の土が流れて、基礎が浮いて見えていないか
  • 塀にツタが絡んでいないか、樹木の根が塀を押し上げていないか

高さと控え壁は「数えるだけ」で確認できる

ブロック塀には建築基準法にもとづく構造の決まりがあり、国や自治体が公開している点検チェックリストでも共通して次の点が挙げられています。

  • 高さ:地面から2.2mを超えていないか。ブロック1段はおおむね20cm前後なので、段数を数えるとおおよその見当がつきます
  • 控え壁:塀の高さが1.2mを超える場合、塀を支える直角方向の壁(控え壁)が一定の間隔で付いているか
  • 基礎:地面の下にコンクリートの基礎があるか。土に直接ブロックを積んだだけのものは要注意です
  • 鉄筋:外からは見えませんが、古い塀では鉄筋が入っていない、または細すぎることがあります

高さや控え壁が基準に満たない塀は、地震の揺れで倒れやすいとされています。判断に迷うときは、自治体の建築指導課などで点検の相談先を教えてもらえることがあります。無料の簡易点検を行っている自治体もあるので、一度問い合わせてみてください。

倒れて人にけがをさせたら、誰が責任を負う?

民法には「土地の工作物責任」という定めがあり、塀や擁壁などの設置・管理に問題があって他人に損害を与えた場合、まず占有者が、占有者が必要な注意をしていたときは所有者が責任を負うとされています。所有者の責任は、本人に落ち度がなかったと主張しても免れにくい性質のものとされています。

ここで問題になるのが、空き家になった実家の扱いです。誰も住んでいなくても、名義人である親や、相続した子が所有者として管理の責任を負う立場にあります。「遠くて見に行けなかった」という事情は、責任の有無を判断するうえで有利には働きにくいと考えられます。

また、火災保険や個人賠償責任保険で備えられる場合もありますが、空き家は通常の火災保険に入れないことがあり、契約内容によって扱いが変わります。実際に補償の対象になるかどうかは、保険証券や保険会社への確認が必要です。

撤去・改修にかかる費用の目安と補助制度

費用は塀の長さ・高さ・道路付け・重機が入れるかどうかで大きく変わりますが、一般に示されている目安は次のような水準です。

  • ブロック塀の解体・撤去:1平方メートルあたり5,000〜10,000円程度(廃材の処分費・運搬費が別途かかることが多い)
  • 撤去後にフェンスを設置する場合:1メートルあたり1〜3万円程度(種類と高さで幅があります)
  • 部分的な補修や控え壁の増設:数万円〜十数万円程度

いずれもあくまで目安で、狭い道で手作業になる場合や、隣地との境界に建っていて片側からしか作業できない場合は割高になります。見積もりは複数社から取り、「処分費込みか」「隣地・道路の養生はどうするか」を確認しておくと比較しやすくなります。

なお、通学路沿いなどの危険なブロック塀の撤去について、補助制度を設けている自治体があります。金額や条件(対象となる道路、塀の高さ、着工前の申請が必要かなど)は自治体ごとに異なり、予算枠に達すると受付を終了することもあります。工事を契約する前に、実家のある市区町村の窓口で最新の内容を確認してください。

境界にまたがる塀は、着手前に確認を

塀が自分の敷地内にあるのか、隣地との共有物なのかで、撤去の進め方は変わります。共有と思われる塀を一方的に壊すと、後々のトラブルにつながります。境界標や登記の内容を確認し、必要であれば隣家に事前に相談しておくのが無難です。境界がはっきりしない場合は、測量や境界の確認を先に済ませたほうが結果的に早く進むこともあります。

現場から一言:実家の見回りで真っ先に写真を撮っておきたいのが、道路に面した塀の足元です。上のほうはきれいでも、地面際のモルタルがぼろぼろ崩れていることがあります。年に一度、同じ場所・同じ角度で撮っておくと、傾きが進んでいるかどうかが写真を並べるだけで分かります。
記載した金額はいずれも一般的な目安で、塀の状態・長さ・立地・時期・事業者によって大きく異なります。実際の費用は必ず現地見積もりでご確認ください。ブロック塀の構造基準や責任の考え方は制度の概要をまとめたもので、個別の事案の判断を示すものではありません。補助制度の有無・要件・申請時期は自治体ごとに異なり変更されることがあります。最新の内容は実家のある市区町村の建築指導担当窓口や、加入している保険会社へ直接ご確認ください。

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本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、医療・法律・税務・不動産取引などの個別の判断に関する助言ではありません。制度・費用は地域や時期により異なります。実際のご判断は、自治体および各分野の専門家にご相談ください。