実家ノートJikka Note
見守り・介護準備

親の退院が決まったけど自宅で大丈夫?退院前に家族が確認したいこと

病院から退院の話が出たとき、家族は何を確認しておけばよいのでしょうか。退院前の話し合いで聞きたいこと、入院中から進められる介護保険の手続き、福祉用具や住宅の手直し、お金の見通しまで、順を追って整理しました。

寝室でベッドの寝具を整えるスタッフと高齢の女性

入院中の親について、病院から「そろそろ退院の話を」と言われて、ほっとするより先に不安になる方は少なくありません。入院前と同じように家で暮らせるのか、日中ひとりにして大丈夫なのか、自分は仕事を休み続けられるのか。退院は治療の区切りであって、家での暮らしはそこから始まります。ここでは、退院が見えてきたときに家族が確認しておきたいことを、順を追って整理します。

退院前に開かれる話し合いを、遠慮せず活用する

多くの病院には、退院に向けて患者・家族と医療者が話し合う場があります。呼び方は病院によって「退院前カンファレンス」「退院支援」などさまざまですが、担当の看護師やソーシャルワーカー(医療相談員)が窓口になることが一般的です。日程が合わないときは、電話や別日の面談で対応してもらえる場合もあるので、まずは病棟の看護師か相談室に声をかけてみてください。

医療の面で確認したいこと

  • 今の状態でどこまで自分でできるか(歩行、トイレ、入浴、着替え、食事)
  • 家で続ける処置や管理があるか。あるなら誰がどう行うのか
  • 薬の種類と飲み方、飲み忘れたときの考え方
  • 次の受診はいつ、どこへ。通院の移動手段はどうするか
  • どんな症状が出たら、どこに連絡すればよいか

特に最後の「どうなったら連絡するか」は、家に帰ってからいちばん迷う場面です。連絡先と目安を紙に書いてもらい、冷蔵庫など全員が見える場所に貼っておくと、離れて住む家族とも共有しやすくなります。

暮らしの面で確認したいこと

病院の廊下は広く、手すりがあり、段差もありません。家はそうではないことが多いものです。玄関の上がりかまち、トイレまでの距離、浴室の出入り、寝室が二階かどうか。入院前は問題なくできていた動作が、数週間の入院で難しくなっていることもあります。可能であれば、間取りや段差の写真をスマホで撮って、病院のスタッフやケアマネジャーに見てもらうと話が早く進みます。

退院までに動かしておきたい三つのこと

1. 介護保険の手続きは入院中から進められる

要介護認定をまだ受けていない場合、申請は入院中でも行えます。市区町村の窓口や地域包括支援センターが相談先です。認定が出るまでには一定の期間がかかりますが、申請日にさかのぼってサービスを使える仕組みがあるため、退院してから動き出すより余裕が生まれます。すでに認定を受けている方でも、入院で状態が変わっていれば区分変更の相談ができます。具体的な進め方は自治体や病院の相談室で確認してください。

2. 福祉用具と、家の小さな手直し

介護ベッドや手すり、歩行器などは、要介護度に応じて介護保険を使ったレンタルの対象になる場合があります。自己負担は所得に応じて原則1〜3割で、品目にもよりますが月あたり数百円から千円台に収まることが多いとされます。手すりの取り付けや段差の解消といった住宅改修にも、上限が定められた支給の仕組みがあります。いずれも金額はあくまで目安で、要介護度・所得・地域・事業者によって変わりますので、ケアマネジャーや自治体窓口で見積もりを取ってから判断してください。

工事を伴うものは日数がかかります。退院日が決まってから慌てないよう、話が出た時点で相談を始めておくと安心です。

3. お金の見通しを、ざっくりでも立てておく

入院にかかった医療費については、自己負担が一定額を超えた場合に払い戻される高額療養費の仕組みがあります。加入している健康保険の窓口が相談先です。退院後は、これに介護サービスの費用や通院の交通費が加わります。月にいくらくらいかかりそうか、誰の口座から払うのかを、早い段階で家族の間で共有しておくと、後々の行き違いを防げます。

遠方に住む家族ができること

離れて暮らしていると、退院の話し合いに毎回は参加できません。それでもできることはあります。病院のソーシャルワーカーやケアマネジャーに、自分の連絡先と「どのくらいの頻度で帰れるか」を最初に伝えておくこと。窓口をきょうだいの誰か一人に決めて、決まったことを共有する形にしておくこと。そして、退院直後の一週間だけでも誰かが泊まれるよう、仕事の調整を早めに始めること。

親本人の気持ちも忘れずに確かめておきたいところです。家に帰りたいのか、しばらく施設で体力を戻したいのか。本人の希望と家族の事情が食い違うときこそ、第三者であるケアマネジャーや相談員に間に入ってもらう価値があります。

現場から一言:退院の連絡をいただいてから片付けや手すりのご相談をいただくことが多いのですが、実際は「退院が決まりそう」の段階でご連絡いただけると、ずいぶん楽になります。寝室を一階に移すだけでも、家具の移動と処分で半日から一日はかかります。日程が固まる前の下見だけでも、やっておく価値はあります。
記載している費用や制度の内容は一般的な目安です。自己負担の割合や支給の上限、対象となる品目・工事は、要介護度・所得・お住まいの自治体・事業者によって異なります。介護保険の手続きはお住まいの市区町村の介護保険担当窓口または地域包括支援センター、医療費の払い戻しは加入されている健康保険の窓口、退院後の療養については主治医や病院の相談室で、必ず最新の情報をご確認ください。本記事は医療上の判断や治療方針を示すものではありません。

実際に動くときの相談先

記事を読んで「うちの場合はどうするか」まで進むと、次は実務の相談先が必要になります。実家ノートを運営しているエムズグループでは、愛知・岐阜・三重で次のサービスを行っています。

  • エムズ高齢者サポート ── 名古屋市とその周辺で、見守り・通院の付き添い・買い物・書類の整理などを、月額会員制で継続してお手伝い
  • 便利屋エムズ ── 家財の片づけ、不用品の搬出、家具の移動など、作業ごとのご依頼

どちらに頼めばよいか決まっていない段階でも構いません。エムズグループの相談窓口で内容を伺い、担当をご案内します。

本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、医療・法律・税務・不動産取引などの個別の判断に関する助言ではありません。制度・費用は地域や時期により異なります。実際のご判断は、自治体および各分野の専門家にご相談ください。