実家ノートJikka Note
見守り・介護準備

高齢の親の熱中症・脱水対策、離れていてもできる声かけ

高齢の親は暑さ・喉の渇きを感じにくく熱中症・脱水になりやすいもの。エアコンを我慢する親も。離れていてもできる声かけと、室温・水分の工夫をまとめました。

夏の室内で高齢の男性に水分補給を促す様子

高齢の親の熱中症・脱水は「気づきにくい」から怖い

高齢になると暑さや喉の渇きを感じにくく、熱中症・脱水になりやすくなります。「エアコンは苦手」「もったいない」と使わない方も。離れていても、声かけと工夫で守れます。

離れていてもできること

  • 「エアコンつけてる?」「水分とってる?」と電話で声かけ
  • こまめな水分補給を習慣に(食事のたび・起床時など)
  • 室温計を見える所に置いてもらう

環境の工夫

  • エアコンを我慢しないよう、電気代の心配には家族が一言
  • すだれ・遮光カーテンで室温を下げる
  • 見守り機器で室温を離れて確認できるものも
現場から一言:「暑くない」と言う親ほど心配です。感覚が鈍っているだけのことも。電気代を気にして我慢する方には「体のほうが大事だよ」と伝えるのが、実は一番効きます。

高齢者が熱中症になりやすい理由

「うちの親は昔から暑さに強い」は、残念ながら根拠になりません。年齢とともに、体の仕組みそのものが変わります。

  • 暑さを感じにくくなる──室温が高くても「暑くない」と本当に感じています
  • 喉の渇きを感じにくくなる──脱水が進んでも、飲みたくなりません
  • 体内の水分量が少ない──若い人より、脱水になるまでの余裕が小さい
  • 汗をかきにくくなる──体温を下げる働きが落ちます
  • 持病や薬の影響──利尿作用のある薬を飲んでいると、水分が失われやすくなります

つまり、本人の感覚はあてになりません。「暑くない」「喉は渇いていない」という言葉を、そのまま受け取らないでください。

数字で決めておく

「気をつけてね」では行動は変わりません。数字にすると守れます。

項目 目安 伝え方
室温 28度を超えたらエアコン 温度計を居間と寝室に置き、「28度になったらつけて」
水分 1日あたり1〜1.5リットル程度 「コップ8杯」など、数えられる形で
タイミング 起床時・食事ごと・入浴前後・就寝前 喉が渇く前に、時間で決めて飲む
就寝中 エアコンはつけたまま 「夜中に具合が悪くなるのがいちばん危ない」と伝える

意外に見落とされるのが夜間です。日中は気をつけていても、寝るときにエアコンを切ってしまう方が多く、明け方に熱中症になる例があります。タイマーで切れる設定を、朝までつけたままに変えてもらってください。

「電気代がもったいない」への答え方

これがいちばん多い壁です。理屈で説得しようとしても動きません。次の言い方が、実際に効きます。

  • 「電気代はこっちが出すから、つけて」──実際に少し送金する、という方法もあります
  • 「入院したほうが高くつくよ」──金額の話に、金額で返す
  • 「心配で仕事が手につかない」──自分の困りごととして伝える
  • 「お父さん(お母さん)のためじゃなくて、私のためにつけて」

節約を否定すると反発されます。「あなたの我慢が、家族を心配させている」という形にすると、受け入れられやすくなります。

離れていてもできる仕組み

  1. 電話の時間を決める──暑い時期は、夕方に1本。「今日の室温は何度だった?」と聞く
  2. 温度計を、大きな数字のものに買い替える──見えなければ意味がありません
  3. 飲み物を届ける──定期便で麦茶や経口補水液を送ると、飲む量が増えます
  4. すだれ・遮光カーテン──西日の入る窓に。室温が数度違います
  5. 室温が分かる見守り機器──離れていても数値で確認できます
  6. 近所やデイサービスと連携──週に何度か人の目が入る形をつくる

6番目がいちばん確実です。誰かが定期的に顔を見る仕組みがあれば、異変に早く気づけます。

こんなときは、すぐ連絡・受診

  • 声をかけても反応が鈍い、話がかみ合わない
  • 汗をかいていないのに、体が熱い
  • まっすぐ歩けない、立ち上がれない
  • 吐き気がある、水が飲めない

これらは、様子を見る段階ではありません。近所の方に見に行ってもらう、救急に相談する、といった行動に移してください。判断に迷うときは、救急安心センター事業(#7119)が使える地域があります。

よくある質問

Q. エアコンが古くて効きません
10年以上前の機種は、効きも電気代も大きく違います。買い替えのほうが結果的に安くつくことがあります。設置の手配まで含めて、家族が動いたほうが早いです。

Q. 水分を勧めても飲みません
水よりも、麦茶、味噌汁、ゼリー飲料のほうが進むことがあります。食事から摂る水分も無視できません。→ 一人暮らしの親の食事、遠方から支える方法

Q. 冬は気にしなくてよいですか
冬も脱水は起こります。暖房で乾燥し、トイレを気にして水分を控えるためです。声かけは通年で続けてください。

Q. 見守り機器は嫌がられませんか
カメラは抵抗が強いですが、温度計型や電気の使用量で見守るタイプなら受け入れられやすいです。→ 見守りカメラ、親に嫌がられない伝え方・置き方

体調の異変(ぐったり・受け答えがおかしい等)は早めに医療機関へ。判断に迷う場合は医療相談窓口の活用も。

実際に動くときの相談先

記事を読んで「うちの場合はどうするか」まで進むと、次は実務の相談先が必要になります。実家ノートを運営しているエムズグループでは、愛知・岐阜・三重で次のサービスを行っています。

  • エムズ高齢者サポート ── 名古屋市とその周辺で、見守り・通院の付き添い・買い物・書類の整理などを、月額会員制で継続してお手伝い
  • 便利屋エムズ ── 家財の片づけ、不用品の搬出、家具の移動など、作業ごとのご依頼

どちらに頼めばよいか決まっていない段階でも構いません。エムズグループの相談窓口で内容を伺い、担当をご案内します。

本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、医療・法律・税務・不動産取引などの個別の判断に関する助言ではありません。制度・費用は地域や時期により異なります。実際のご判断は、自治体および各分野の専門家にご相談ください。