実家ノートJikka Note
見守り・介護準備

親の薬の飲み忘れが心配…離れていてもできる服薬の見守りと工夫

実家に帰ると薬が大量に残っている——高齢の親の飲み忘れは、意志ではなく仕組みの問題であることが多いものです。薬局とお薬手帳の一本化、お薬カレンダーや一包化、遠距離でも続く見守り方、薬剤師やヘルパーに頼める範囲を整理しました。

曜日つきピルケースを一緒に確認する高齢の父と息子

「先週の薬がまだ残っている」「同じ薬が引き出しから何袋も出てきた」——実家に帰ったときに、そんな場面に出くわして不安になる方は少なくありません。薬をきちんと飲めているかどうかは、離れて暮らす家族からはいちばん見えにくいところです。ここでは、家でできる工夫と、専門職に相談できることを整理しました。

飲み忘れは「気持ちの問題」ではないことが多い

高齢になると、薬の種類が増えて飲むタイミングもバラバラになりがちです。朝食後・昼食後・寝る前・週に1回だけ、といった具合に条件が重なると、覚えておくこと自体がむずかしくなります。

  • 薬の数と回数が多く、管理そのものが複雑になっている
  • 食事の時間が不規則で、「食後」の基準があいまいになっている
  • 錠剤が小さい、シートから出しにくいなど、手先の負担が大きい
  • 飲んだかどうかの記憶があいまいで、二重に飲むのが怖くて控えてしまう

「しっかりして」と責めても解決しないことがほとんどです。まずは仕組みを変えられないかを考えるほうが、結果的に早く落ち着きます。なお、飲み忘れが急に増えた、明らかに様子が変わったという場合は、自己判断で薬を減らしたり中止したりせず、かかりつけの医師や薬剤師に状況を伝えて相談してください。

最初に整えておきたい3つの土台

1. 薬をもらう薬局をできるだけ1か所にまとめる

複数の医療機関にかかっていても、薬を受け取る薬局を1か所にしておくと、飲み合わせや重複を薬剤師がまとめて確認しやすくなります。市販薬やサプリメントを使っている場合も、あわせて伝えておくと安心です。

2. お薬手帳を1冊にする

病院ごとに手帳が分かれていると、全体像が誰にも見えません。1冊にまとめ、表紙にアレルギーや持病、緊急連絡先を書いておくと、入院や災害時にも役立ちます。手帳のアプリを使う方法もありますが、親が使いにくそうなら紙のままで構いません。

3. 残っている薬を一度すべて出してみる

引き出しや仏壇の下、台所の棚など、あちこちに分散していることがよくあります。まとめて薬局に持って行けば、薬剤師が中身を確認し、必要に応じて次回の処方量を調整できないか医師に相談してくれます。捨てる前に、まず見てもらうのが安全です。

家の中でできる工夫

  • お薬カレンダー・曜日つきピルケース:壁掛けタイプなら、飲んだかどうかがひと目でわかります。数百円〜3,000円程度が目安です。
  • 一包化を相談する:1回に飲む分をまとめて1つの袋にしてもらう方法です。袋に日付や名前を印字してもらえることもあります。処方内容によっては対応できない薬もあるため、医師・薬剤師への相談が必要です。調剤の費用が少し加算されますが、自己負担は数百円程度にとどまることが多く、金額は処方内容や負担割合で変わります。
  • 置き場所を1か所に固定する:食卓の決まった位置など、生活動線の中に置くほうが続きます。
  • 服薬時間に合わせて電話をする:夕食後の薬なら夕方に電話、と決めておくと、見守りと声かけを兼ねられます。

離れて暮らしていてもできる見守り

遠距離の場合、毎日確認するのは現実的ではありません。「完璧に把握する」より「異変に気づける状態にしておく」ことを目標にすると続きます。

  • 週末の電話のときに、お薬カレンダーの残りを一緒に数えてもらう
  • 薬の袋やカレンダーの写真を送ってもらう(スマホが使える場合)
  • 受診に付き添えるときは、薬剤師に「家での様子」を伝えておく
  • 帰省したときは、必ず残薬の量を確認して記録しておく

専門職に頼めること

家族だけで抱えなくてよい部分もあります。

  • 薬剤師の訪問:通院がむずかしい場合、薬剤師が自宅を訪問して薬の管理や説明を行う仕組みがあります。介護保険・医療保険のどちらで利用するかは状況によって異なるため、かかりつけの薬局やケアマネジャーに相談してください。
  • 訪問介護(ヘルパー):声かけや薬の準備の手伝いなど、頼める範囲が決まっています。何を頼めるかは事業所やケアマネジャーに確認するのが確実です。
  • 地域包括支援センター:介護保険をまだ使っていない段階でも、「薬の管理が不安」という相談から受け付けてもらえます。
現場から一言:実家の片付けをお手伝いしていると、押し入れや仏壇の引き出しから、何年も前の薬がまとめて出てくることがよくあります。ご家族が驚かれる場面ですが、これは珍しいことではありません。まずは責めずに、薬局に持って行って見てもらうところから始めるのが、いちばん角が立ちませんでした。
記載した費用はいずれも目安です。実際の金額は処方内容、医療保険・介護保険の負担割合、地域や薬局・事業者によって異なります。薬の内容や飲み方の変更は、必ずかかりつけの医師・薬剤師にご相談ください。制度の利用条件や手続きは、お住まいの市区町村の窓口、地域包括支援センター、担当のケアマネジャーで最新の情報をご確認ください。

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本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、医療・法律・税務・不動産取引などの個別の判断に関する助言ではありません。制度・費用は地域や時期により異なります。実際のご判断は、自治体および各分野の専門家にご相談ください。