親が免許を返納したあと、通院や買い物の足はどうする?移動手段と費用の目安
免許返納の話がまとまっても、通院や買い物の足が決まらないままだと外出が減ってしまいます。コミュニティバスや乗合タクシー、自治体の運賃助成、運転経歴証明書、宅配の活用まで、返納後の移動手段を費用の目安とあわせて整理しました。

「そろそろ運転が心配だから返納してほしい」。そう話して親が納得してくれても、次に必ず出てくるのが「じゃあ病院や買い物はどうするの」という問題です。ここが決まらないまま返納すると、外出そのものが減り、かえって心身の元気がなくなってしまうことがあります。返納の話し合いと同じくらい、返納したあとの足をどう組み立てるかが大切です。
まず「どこへ、どのくらいの頻度で行くか」を書き出す
移動手段を探す前に、親の外出を棚おろししてみてください。紙に書き出すだけで、必要な手段がかなり絞り込めます。
- 通院:どの病院に、月に何回、何時ごろ。待ち時間はどれくらいか
- 買い物:食料品は週に何回か。重い物(米・水・洗剤)はどうしているか
- 金融機関・役所:年金や公共料金の手続きで窓口に行く必要があるか
- 楽しみの外出:友人との集まり、趣味の会、墓参りなど
意外と見落とされるのが最後の「楽しみの外出」です。通院と買い物だけ確保して安心してしまうと、人と会う機会が減っていきます。ここを含めて考えておくと、返納後の生活の落差が小さくなります。
使える移動手段を、身近なものから並べてみる
自治体のコミュニティバス・乗合タクシー
多くの市町村が、路線バスの通っていない地域向けにコミュニティバスや予約制の乗合タクシー(デマンド交通)を走らせています。1回あたりの運賃は数百円程度に抑えられていることが多く、通院や買い物の定番になっている地域もあります。ルートや運行日が限られるので、親の家から病院・スーパーまで実際につながっているかを、路線図で一緒に確認しておくと安心です。窓口は市町村の交通担当課や地域包括支援センターです。
高齢者向けのタクシー券・運賃助成
自治体によっては、一定の年齢以上の方や免許を返納した方に、タクシー券や運賃の割引を出している場合があります。金額や条件、申請の期限は地域によってかなり違い、「返納から1年以内の申請」といった制限があることもあります。返納を決めた時点で、住んでいる市町村の制度を先に調べておくと取りこぼしがありません。
また、免許を返納すると希望により運転経歴証明書が交付されます。手数料は1,000円前後が目安で、詳しくは各都道府県警の窓口で確認してください。身分証明書として使えるほか、この証明書の提示でバス運賃や店舗の配送料が割引になる仕組みを設けている地域・事業者もあります。
通院に付き添いが必要な場合
歩行が不安定だったり、一人で受付や会計が難しかったりする場合は、一般のタクシーではなく介護タクシー(介護保険の訪問介護として利用できる場合と、自費の場合があります)という選択肢もあります。利用できるかどうかは要介護度や状況によって変わるので、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してみてください。デイサービスを利用している場合、その送迎日に合わせて通院日を組むと、家族の負担が減ることもあります。
「行かずに済ませる」方法も組み合わせる
移動手段を増やすだけでなく、外出の回数自体を減らす工夫も効きます。
- ネットスーパーや食材の宅配、生協の個別配送を、重い物だけでも使う
- 薬は、医師の指示のもとで処方日数や受け取り方を相談してみる
- 公共料金や年金の手続きは、口座振替や郵送でできるものに切り替えておく
- 近所のお店の配達サービス(酒屋・米屋・電器店など)を確認しておく
遠方に住む家族ができること
離れて暮らしていると「自分が送迎できない」ことに引け目を感じがちですが、遠方だからこそできる役割があります。自治体の制度を調べて申請書類を取り寄せる、ネットスーパーの登録と初回の注文を代行する、タクシー会社に「迎車を頼むときの電話番号」を大きく書いたメモを作って冷蔵庫に貼っておく。こうした下ごしらえは、離れていても十分できます。
そして帰省したときには、一緒に一度乗ってみることをおすすめします。バス停の場所、乗り方、支払い方、降りてから病院までの距離。一度体験しておくと、親が自分から使えるようになります。
実際に動くときの相談先
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本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、医療・法律・税務・不動産取引などの個別の判断に関する助言ではありません。制度・費用は地域や時期により異なります。実際のご判断は、自治体および各分野の専門家にご相談ください。