実家ノートJikka Note
見守り・介護準備

離れて暮らす親が家で転んだと聞いたら?確認する順番と、次を防ぐ家の見直し

「転んじゃってね」と後から聞かされたとき、電話口で何を確認すればいいのか。頭を打ったか・立てるか・いつ転んだかの3点から、迷ったときの相談先、転んだ場所別の対策、その日のうちにできる手当てまでまとめました。

「転んじゃってね」と、親から後になって聞かされる。あるいは近所の方から「お母さん、玄関で転んでいたよ」と連絡が入る。離れて暮らしていると、すぐ駆けつけられないぶん、電話口で何を聞けばいいのかで迷います。

高齢の方の転倒は、その場では平気に見えても、あとから痛みや不調が出てくることがあります。ここでは、連絡を受けたときに家族が確認する順番と、その日のうちにできる「次を防ぐ手当て」を整理します。医学的な判断は必ず医師に委ねるとして、それまでのあいだ家族が何を見るか、という話です。

電話口でまず確認する3つ

  • 頭を打っていないか——打った場所、ぶつけた物、出血の有無
  • 自分で立てるか、歩けるか——立てない、体重をかけられないときは動かさない
  • いつ転んだか——今なのか、数日前なのか。時間が経ってからの受診でも必ず聞かれます

あわせて、血をさらさらにする薬を飲んでいるかどうかも確認しておいてください。頭を打ったときの注意の度合いが変わるため、受診時に必ず伝える情報です。お薬手帳の写真をスマホで送ってもらえると確実です。

迷ったときの相談先

「救急車を呼ぶほどではない気がするけれど、放っておくのも不安」。この段階でひとりで抱えないための窓口があります。

  • 救急安心センター(#7119)——救急車を呼ぶべきかを看護師などに相談できます。実施していない地域もあるため、実家の市区町村での対応を先に調べておくと安心です
  • かかりつけ医——ふだんの体調と薬を知っているので、判断がいちばん早い
  • 地域包括支援センター——医療というより、その後の生活の立て直しの相談先になります

意識がはっきりしない、けいれんしている、呼びかけへの反応がおかしい、繰り返し吐く、強い痛みで動けない——こうしたときは迷わず119番です。

転んだ場所を、必ず聞いておく

受診の話が落ち着いたら、「どこで転んだのか」を具体的に聞いてください。同じ場所で二度目が起きるからです。実家でよく聞くのは次の3か所です。

玄関の上がり框

段差が20〜30センチある家も珍しくありません。靴を履くときに片足立ちになるため、家の中でもっとも転びやすい場所のひとつです。腰高の手すりか、腰かけられる台があるだけで違います。

廊下と敷居の段差

数センチの敷居や、めくれた敷物のふちにつまずくケース。夜中のトイレなど、暗い時間に多く起こります。

浴室と脱衣所

濡れた床とまたぎの高い浴槽の組み合わせが危険です。滑り止めマットと縦手すりは、費用のわりに効果がはっきり出ます。

その日のうちにできる手当て

大がかりな工事を考える前に、道具を足すだけで減らせる転倒があります。

  • めくれている敷物・玄関マットを外す、または両面テープで固定する
  • 寝室からトイレまでの動線に、人感センサー付きの足元灯を置く
  • 浴室に滑り止めマット、浴槽の縁に手すりを付ける
  • 玄関に腰かけられる椅子か台を置く
  • スリッパをやめ、かかとのある室内履きに替える

手すりの取り付けや段差の解消は、要支援・要介護の認定を受けていれば介護保険の住宅改修や福祉用具のしくみを使える場合があります。工事の前にケアマネジャーや地域包括支援センターに相談すると、順番を間違えずに済みます。

離れて暮らしているなら、備えは3つ

  • 緊急連絡先を紙で貼る——固定電話のそばに、家族の携帯番号とかかりつけ医を大きな字で
  • 近所に一軒、連絡先を渡しておく——今回のように、気づいてくれるのは近所の方です
  • 転倒の記録を残す——日付・場所・状況をメモしておくと、受診でもケアプランの見直しでも役に立ちます

数日たってからの変化も見ておく

転んだ直後は「大丈夫」と言っていても、あとから痛みや動きの変化が出てくることがあります。次の帰省や電話のときに、こんなところを見てください。

  • 歩き方が変わっていないか(片足をかばう、歩幅が狭くなった)
  • いつもの家事をやめていないか(買い物に行かなくなった、風呂に入らなくなった)
  • 頭を打っていた場合、以前より言葉が出にくい・眠りがちといった様子はないか

「転んでから外に出なくなった」というのは、けがそのものより後を引きます。体は治っても、また転ぶのが怖くて動かなくなり、そのまま筋力が落ちていくためです。痛みが引いたら、短い距離からでも歩く機会を戻していけるよう、家族から声をかけてあげてください。

現場から一言:見守りでうかがっていると、転んだことを子どもに言わない親御さんは本当に多いです。「心配をかけたくない」「施設に入れられると思った」——理由はだいたいこの2つです。責める言い方をせず「知らせてくれてありがとう」から入ると、次からは早く教えてもらえます。
この記事は家族が状況を整理するための一般的な情報で、診断や治療の判断に代わるものではありません。症状の判断は必ず医療機関にご相談ください。救急安心センター(#7119)は実施していない地域があります。介護保険の住宅改修や福祉用具の対象・自己負担の割合は、要介護度や自治体によって異なりますので、担当のケアマネジャーまたは実家のある市区町村の窓口でご確認ください。

実際に動くときの相談先

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本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、医療・法律・税務・不動産取引などの個別の判断に関する助言ではありません。制度・費用は地域や時期により異なります。実際のご判断は、自治体および各分野の専門家にご相談ください。