介護保険の申請、何から?要介護認定の流れ
介護保険は申請しないと始まりません。申請から要介護認定、サービス利用までの流れと、認定調査で実態を正しく伝えるコツを、現場目線でまとめました。

介護保険は「申請」から始まる
介護保険のサービスは、黙っていても始まりません。まず市区町村に申請し、「要介護認定」を受ける必要があります。流れを知っておくと、必要になったとき慌てずに動けます。
申請から利用までの流れ
- 市区町村の窓口(または地域包括支援センター)で申請
- 認定調査(自宅などで心身の状態を確認)+主治医の意見書
- 審査を経て「要支援1〜2/要介護1〜5」などの認定
- ケアマネジャーとケアプランを作り、サービス利用開始
スムーズに進めるコツ
- 申請は家族や地域包括支援センターが代行・同行できる
- 認定調査では「できないこと・困っていること」を具体的に伝える
- 結果が出るまで一定期間かかるので、早めの申請を
申請から利用開始までの日数
いちばん誤解されているのが、時間感覚です。申請したその日からサービスが使えるわけではありません。
| 段階 | 目安 | やること |
|---|---|---|
| 申請 | 1日 | 市区町村の窓口または地域包括支援センター。家族が代行できます |
| 認定調査 | 申請から1〜2週間 | 調査員が自宅や病院を訪問。約1時間 |
| 主治医意見書 | 並行して | 市区町村が主治医に依頼します |
| 審査・判定 | 数週間 | 介護認定審査会で判定 |
| 認定結果の通知 | 申請から原則30日以内 | 混み合うと延びることがあります |
| ケアプラン作成 | 1〜2週間 | ケアマネジャーと相談 |
| サービス開始 | — | 事業所の空き状況にもよります |
合計で1か月半から2か月を見ておいてください。「退院までに間に合わせたい」なら、入院中から申請できます。退院が決まってからでは遅いので、入院が決まった段階で相談してください。→ 親の退院が決まったけど自宅で大丈夫?
なお、認定結果が出る前でも「暫定ケアプラン」でサービスを始められる場合があります。急ぐ事情があるときは、地域包括支援センターに相談してください。
認定調査で損をしないために
ここが最大のポイントです。調査の日、多くの親は「できるふり」をします。他人の前で弱みを見せたくない、迷惑をかけたくない、という気持ちからです。
その結果、実態より軽い認定になり、必要なサービスが使えなくなります。防ぐ方法があります。
- 家族が必ず同席する──遠方でも、この日は帰省する価値があります
- 困りごとをメモにして、当日渡す──本人の前で言いにくいことは、紙で伝える
- 「できる」の中身を補足する──「できます」と答えたら「時間はかかりますが」「声をかければ」と添える
- できなかった日の記録を持って行く──「先月は3回転びました」など具体的に
- 夜間の様子を伝える──調査は日中です。夜のことは家族しか知りません
メモに書くとよい項目を挙げます。
- 転倒の回数と時期
- 薬の飲み忘れ、重複して飲んでしまうこと
- 食事の準備ができているか(実際に食べているか)
- 入浴の頻度
- お金の管理(同じ物を何度も買う、支払いを忘れる)
- 夜間の徘徊、昼夜逆転
- 火の始末
- 物忘れの具体例(同じ話を繰り返す、約束を忘れる)
- 介護している家族の負担(夜に何回起こされるか)
調査員は、聞いたことしか書けません。言わなければ、無いことになります。
結果に納得できない場合
- 区分変更申請──状態が変わった場合、認定期間の途中でも申請できます
- 審査請求──都道府県の介護保険審査会に不服を申し立てる方法。時間がかかります
- 実務上は、区分変更申請のほうが早いことが多くあります
- まずケアマネジャーか地域包括支援センターに相談してください
認定が出たあと
- 要支援1〜2──地域包括支援センターが介護予防のプランを作ります
- 要介護1〜5──居宅介護支援事業所を選び、ケアマネジャーと契約します
- 非該当(自立)──介護保険は使えませんが、自治体の高齢者向けサービスが使える場合があります
ケアマネジャー選びは、その後の介護を大きく左右します。合わないと感じたら変更できます。→ 介護のケアマネジャー、どう選ぶ?
よくある質問
Q. 遠方に住んでいますが、申請できますか
できます。家族による代行申請が認められています。地域包括支援センターに代行してもらうこともできます。
Q. 主治医がいません
市区町村が指定する医師に診てもらう形になります。窓口で相談してください。
Q. 費用はかかりますか
申請と認定に費用はかかりません。サービスを使い始めてから、1〜3割の自己負担が発生します。→ 介護でかかるお金の全体像
Q. 親が申請を嫌がります
「使わなくても、認定だけ受けておく」という考え方があります。認定があれば、必要になったときすぐ動けます。地域包括支援センターに、勧め方から相談してください。
実際に動くときの相談先
記事を読んで「うちの場合はどうするか」まで進むと、次は実務の相談先が必要になります。実家ノートを運営しているエムズグループでは、愛知・岐阜・三重で次のサービスを行っています。
- エムズ高齢者サポート ── 名古屋市とその周辺で、見守り・通院の付き添い・買い物・書類の整理などを、月額会員制で継続してお手伝い
- 便利屋エムズ ── 家財の片づけ、不用品の搬出、家具の移動など、作業ごとのご依頼
どちらに頼めばよいか決まっていない段階でも構いません。エムズグループの相談窓口で内容を伺い、担当をご案内します。
本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、医療・法律・税務・不動産取引などの個別の判断に関する助言ではありません。制度・費用は地域や時期により異なります。実際のご判断は、自治体および各分野の専門家にご相談ください。