実家ノートJikka Note
見守り・介護準備

高齢の親の詐欺・訪問販売対策、家族ができること

特殊詐欺や訪問販売は高齢者が主な標的。本人任せにせず、留守電設定や「お金の話は家族に相談」など、家族の仕組みで守る備えと相談先をまとめました。

玄関先で電話をするスタッフと見送る高齢女性

高齢者は「狙われやすい」という前提で守る

特殊詐欺や強引な訪問販売は、高齢者が主な標的です。判断力や優しさにつけ込まれるため、本人の注意だけに頼らず、家族の”仕組み”で守るのが効果的です。

家族ができる備え

  • 固定電話を留守番電話設定に(知らない相手と直接話さない)
  • 「お金・カード・暗証番号の話は必ず家族に相談」を合言葉に
  • 1人で契約しない・その場でハンコを押さない約束
  • 不審な電話やチラシは写真で共有してもらう

被害に気づいたら

  • 訪問販売などは、契約後でもクーリング・オフできる場合がある
  • 迷ったら消費者ホットライン「188」に相談
現場から一言:「うちの親は大丈夫」が一番危ないです。詐欺は年々巧妙になっています。責めずに「一緒に気をつけよう」と伝えるのが、親を守る第一歩です。

狙われやすい状況

だまされるのは、判断力の問題ではありません。状況の問題です。次の条件がそろうと、誰でも被害に遭います。

  • 日中、一人でいる──相談できる相手がその場にいない
  • 会話の相手が少ない──話を聞いてくれる人が来ると、うれしくなる
  • 断るのが苦手──「せっかく来てくれたのに」と思ってしまう
  • 家の傷みが気になっている──「屋根がずれてますよ」が刺さる
  • 健康に不安がある──健康食品、布団、浄水器の勧誘に弱くなる
  • 過去に契約したことがある──業者間で名簿が回ることがあります

とくに一度契約した家は、繰り返し狙われます。「以前も買ってくれた人」として次々に業者が来る、という状況が実際に起きます。

訪問販売でよくある手口

手口 言われること 実際は
点検商法 「無料で点検します」「屋根がずれています」 点検後に高額な工事契約を迫る
不安をあおる 「このままだと家が倒れます」 その場で判断させるのが目的
役所を装う 「市の方から来ました」 役所が業者を派遣することは通常ありません
今日だけ 「今日契約すれば半額」 急がせるのは詐欺の共通点
買い取り(押し買い) 「不要な着物を買い取ります」 貴金属を安値で持ち去る
電話勧誘 「投資」「未公開株」「還付金があります」 ATMで還付金は受け取れません

「還付金があるのでATMへ」は、100%詐欺です。税金や保険料の還付を、ATMの操作で受け取ることはできません。この1点だけでも伝えておいてください。

家族ができる備え

  1. 「その場で決めない」を約束する──細かい見分け方より、この行動ルールが効きます
  2. 電話を留守番設定にする──常時留守電にすると、勧誘電話は激減します
  3. 迷惑電話対策の機能を使う──通話を録音する旨を自動で流す機器があります。自治体が貸し出していることも
  4. 玄関に貼り紙──「訪問販売お断り」。法的にも、これを無視した勧誘は問題になります
  5. インターホンをカメラ付きに──ドアを開ける前に確認できます
  6. 通帳の動きを共有する──大きな出金に気づける形にしておく
  7. 定期的に電話する──「最近、誰か来た?」と聞くだけで、話してもらえることがあります

2番目の留守番電話は、費用ゼロで効果が非常に大きい対策です。詐欺の多くは、本人と直接話すことで成立します。留守電に切り替わるだけで、相手はあきらめます。

クーリング・オフを覚えておく

契約してしまっても、取り消せる場合があります。

取引 期間
訪問販売・電話勧誘販売 書面を受け取った日から8日間
訪問購入(押し買い) 8日間。この間は物を引き渡さなくてよい
特定継続的役務(エステ、学習塾など) 8日間
連鎖販売取引 20日間

期間を過ぎていても、書面に不備がある、嘘の説明があった、といった場合は取り消せることがあります。あきらめる前に相談してください。

相談先

  • 消費者ホットライン 188──最寄りの消費生活センターにつながります。無料
  • 警察相談専用電話 #9110──脅されている、身の危険を感じるとき
  • 地域包括支援センター──高齢者の権利を守る相談も担当しています

親が「怒られる」と思って黙っていることが非常に多くあります。被害が分かっても責めないでください。責めると、次からもっと隠すようになります。

よくある質問

Q. すでに契約してしまいました
まず188に相談してください。工事が始まっていても、クーリング・オフができる場合があります。契約書と、業者の名刺・連絡先を手元に用意して電話してください。

Q. 何度も業者が来ます
一度でも契約すると、名簿が回ることがあります。玄関に断りの表示を出し、居留守を使って構いません。しつこい場合は警察に相談してください。

Q. 親が判断できなくなってきています
成年後見や日常生活自立支援事業など、契約を取り消せる仕組みがあります。→ 親の預貯金の管理、認知症に備える

Q. スマホやネットの詐欺も心配です
親のスマホ活用サポートと、ネット詐欺への対策

クーリング・オフの可否や手続きは契約内容で異なります。消費者ホットライン「188」や、お住まいの消費生活センターにご相談ください。

実際に動くときの相談先

記事を読んで「うちの場合はどうするか」まで進むと、次は実務の相談先が必要になります。実家ノートを運営しているエムズグループでは、愛知・岐阜・三重で次のサービスを行っています。

  • 空き家管理エムズ ── 誰も住まなくなった実家の見回り、通風・通水、庭木や郵便物の確認、写真付きのご報告
  • 便利屋エムズ ── 家財の片づけ、不用品の搬出、家具の移動、離れて暮らすご家族の生活サポート

どちらに頼めばよいか決まっていない段階でも構いません。エムズグループの相談窓口で内容を伺い、担当をご案内します。

本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、医療・法律・税務・不動産取引などの個別の判断に関する助言ではありません。制度・費用は地域や時期により異なります。実際のご判断は、自治体および各分野の専門家にご相談ください。