実家が空き家に…固定資産税はどうなる?
実家が空き家でも固定資産税はかかり続けます。放置で「住宅用地の特例」が外れ、かえって税が上がることも。仕組みと確認のポイントを整理しました(税の詳細は専門家へ)。

空き家になっても固定資産税はかかり続ける
実家に誰も住まなくなっても、土地・建物を持っている限り固定資産税・都市計画税はかかります。「使っていないのに税金だけ払う」状態になりやすいのが空き家です。まずは仕組みを押さえておきましょう。
「住宅用地の特例」に注意
住宅が建っている土地は、固定資産税が軽減される特例(住宅用地の特例)を受けられます。ところが、管理が著しく悪い空き家が「特定空家」等に指定され勧告を受けると、この特例が外れて土地の税負担が大きく増えることがあります。
- 建物を残しているだけで安心、とは限らない
- 放置して行政指導を受けると、かえって税が上がる場合がある
まず何から
毎年届く固定資産税の納税通知書で、土地・建物それぞれの評価額と特例の適用状況を確認しましょう。判断に迷う場合は早めに専門家へ。
まず、納税通知書を読む
毎年春に届く固定資産税の納税通知書に、判断に必要な情報がほぼ全部載っています。捨てずに、次の欄を見てください。
| 欄 | 分かること |
|---|---|
| 所在・地番・家屋番号 | 登記を取るときに必要。住所とは違います |
| 地積・床面積 | 土地と建物の広さ |
| 評価額 | 相続登記の登録免許税の計算にも使います |
| 課税標準額 | 実際に税率をかける額。特例が効いていると低くなります |
| 税額 | 年間いくら払っているか |
| 都市計画税 | 市街化区域なら、これも加算されます |
納税通知書が見つからない場合、市区町村で「名寄帳」を取ると、その市内にあるその人名義の不動産が一覧で出ます。知らなかった山林や畑が見つかることもあります。→ 実家の権利証・登記簿が見つからないときの調べ方
住宅用地の特例と、その外れ方
住宅が建っている土地は、固定資産税が軽減されています。おおまかには次のとおりです。
| 区分 | 固定資産税 | 都市計画税 |
|---|---|---|
| 小規模住宅用地(200平方メートル以下の部分) | 課税標準が6分の1 | 3分の1 |
| 一般住宅用地(200平方メートルを超える部分) | 課税標準が3分の1 | 3分の2 |
この特例が外れると、土地の税額が数倍になることがあります。外れるのは、次の2つの場合です。
- 建物を解体して更地にしたとき
- 「特定空家等」または「管理不全空家等」に指定され、勧告を受けたとき
2番目が重要です。建物を残していても、管理を怠れば特例は外れ得ます。「解体すると税が上がるから放置」という判断は、必ずしも正しくありません。
指定されるのは、どんな状態か
空家等対策特別措置法では、次のような状態が対象とされています。
- 倒壊など、著しく保安上の危険がある
- 衛生上、著しく有害となるおそれがある(ごみ、害虫、悪臭)
- 適切な管理が行われず、著しく景観を損なっている
- 周辺の生活環境の保全のために放置が不適切
2023年の法改正で、「管理不全空家等」という区分が加わりました。特定空家になる前の段階でも、指導・勧告の対象となり、勧告を受けると特例が外れます。以前より早い段階で税負担が上がる仕組みになっています。
逆に言えば、草を刈り、通風・通水を行い、外観を保っていれば、指定されることはまずありません。年数回の管理が、税額を守ることにもつながります。→ 空き家管理を業者に頼むといくら?
解体のタイミングで税額が変わる
固定資産税は、その年の1月1日時点の状況で決まります。
- 12月中に解体──翌年から特例が外れ、土地の税額が上がります
- 1月2日以降に解体──その年はまだ特例が適用されます
売却が決まっていて、引き渡しまで時間がある場合は、この点を考慮すると1年分の差が出ます。ただし、解体業者の繁忙期(年度末)は費用も日程も厳しくなるので、税額だけで決めないでください。→ 実家の解体費用の考え方と補助金の探し方
納税の実務で困ること
- 納税通知書が実家に届き続ける──郵便の転送か、送付先の変更届を出してください
- 親の口座から引き落としている──口座が凍結されると滞納になります
- 相続人が決まっていない──「相続人代表者指定届」を出すと、代表者に通知が届きます
- 滞納すると──延滞金が付き、補助金の申請が受けられなくなることがあります
2番目は見落としがちです。親が亡くなった後、口座が凍結されて支払いが止まり、気づかないうちに滞納になっていた、という例があります。→ 親の預貯金の管理、認知症に備える
よくある質問
Q. 誰も住んでいないのに、なぜ払うのですか
固定資産税は、住んでいるかどうかではなく、所有していることに対してかかります。住んでいなくても、所有者である限り納税義務があります。
Q. 建物の税額はどうなりますか
建物は年数とともに評価額が下がりますが、ゼロにはなりません。古い建物でも、一定額は残ります。
Q. 名義が親のままです
相続登記は義務化されています。→ 相続した実家の名義変更(相続登記の義務化)何から?
Q. 税額が正しいか確認したい
市区町村の資産税課で、課税明細の内容を説明してもらえます。特例が正しく適用されているか、確認する価値があります。
実際に動くときの相談先
記事を読んで「うちの場合はどうするか」まで進むと、次は実務の相談先が必要になります。実家ノートを運営しているエムズグループでは、愛知・岐阜・三重で次のサービスを行っています。
どちらに頼めばよいか決まっていない段階でも構いません。エムズグループの相談窓口で内容を伺い、担当をご案内します。
本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、医療・法律・税務・不動産取引などの個別の判断に関する助言ではありません。制度・費用は地域や時期により異なります。実際のご判断は、自治体および各分野の専門家にご相談ください。