実家ノートJikka Note
空き家・実家

空き家を賃貸に出す前に確認したいこと

使わない実家を賃貸に。ただ長年住んだ家はそのままでは貸しにくいことも。出す前に確認したい状態・設備・家賃相場と、管理の進め方をまとめました。

畳と障子が整えられ押入れを開けた明るい和室

実家を貸す前に、「そのまま貸せるか」を見極める

使わない実家を賃貸に出せば、活用しながら収入も見込めます。ただ、長年住んだ家はそのままでは貸しにくいことも。出す前に状態・設備・相場を確認しておきましょう。

確認したいポイント

  • 雨漏り・水回り・設備の不具合はないか
  • リフォーム(最低限の原状回復)にいくらかかるか
  • 周辺の家賃相場と、借り手がつきそうな立地か
  • 貸主としての管理(募集・契約・修繕対応)を誰がやるか

進め方の選択肢

  • 不動産会社に管理を委託する(手数料はかかるが手間が減る)
  • 「現状のまま貸す」条件で募集する方法も
  • DIY可・古民家として好む借り手を狙う手も
現場から一言:「まず直してから」と考えて費用が膨らみ、結局貸せずじまい…はよくある失敗。相場と需要を先に確認し、”どこまで直すか”を決めてから動くのがコツです。

貸す前に、直す範囲を決める

「まず直してから」と考え始めると、費用が膨らんで結局貸せない、というのがいちばん多い失敗です。先に相場を調べ、そこから逆算してください。

  1. 周辺の家賃相場を調べる(不動産ポータルで、同じ広さ・築年数の物件を見る)
  2. 想定家賃 × 12か月 = 年間の収入見込み
  3. そこから固定資産税、管理委託料、火災保険、修繕の積立を引く
  4. 手元に残る額に対して、リフォーム費が何年で回収できるか計算する
  5. 回収に10年以上かかるなら、その工事はやめる

たとえば家賃5万円の見込みで、200万円のリフォームをすると、回収だけで数年から十年かかります。その間の空室や修繕を考えると、割に合わないことが分かります。

直すべきところ、直さなくてよいところ

優先度 内容 理由
必須 雨漏り、シロアリ、傾き、水漏れ 放置すると建物が傷み、貸主の責任にもなる
必須 給湯器、トイレ、水回りの不具合 生活に直結。入居後の修繕対応が発生する
必須 電気設備の老朽化、ブレーカー容量 安全に関わる
クリーニング、残置物の撤去 費用対効果が最も高い
クロス、畳、水回りの設備更新 相場との兼ね合いで判断
外観、外壁塗装、間取り変更 家賃に反映されにくい

費用対効果がいちばん高いのは、掃除と残置物の撤去です。物が残っている家、においのする家は、それだけで決まりません。逆に、古くても掃除の行き届いた家は借り手がつきます。

「現状のまま貸す」という選択

直さずに貸す方法もあります。条件を明示すれば、それを求める借り手がいます。

  • DIY可──借主が自由に手を入れられる代わりに、家賃を抑える
  • 現状渡し──設備の不具合を明示して、その分安く貸す
  • 古民家として──地域によっては、これを求める移住者がいます
  • 倉庫・作業場として──住居にこだわらない使い方
  • 定期借家契約──期間を区切って貸す。将来使う予定があるなら有効

定期借家契約は覚えておく価値があります。普通の賃貸借契約では、貸主の都合で簡単には出てもらえません。「いずれ売る」「子が住むかもしれない」という場合は、期間を決めた契約にしておくと後で困りません。

管理を誰がやるか

方式 手数料の目安 やること
自主管理 0円 募集、契約、家賃回収、クレーム対応、修繕手配をすべて自分で
管理委託 家賃の5%前後 入居者対応と家賃回収を委託。修繕は都度相談
サブリース 家賃の10〜20%程度 会社が借り上げる。空室でも一定額が入るが、条件をよく確認

遠方に住んでいるなら、自主管理は現実的ではありません。夜中の水漏れに対応できません。管理委託の手数料は、その保険料と考えてください。

サブリースは、賃料の減額改定や解約の条件をよく確認してください。「家賃保証」という言葉だけで判断しないことです。

貸す前に確認する事務

  1. 名義──親のままでは貸せません。相続登記を済ませる
  2. 火災保険──賃貸用に切り替える必要があります
  3. 境界──隣地とのトラブルがないか
  4. 設備の説明──浄化槽、井戸、プロパンなど、借主に伝えるべきこと
  5. 確定申告──家賃収入は不動産所得。申告が必要です
  6. きょうだいの同意──共有名義なら全員の合意が要ります

相続した実家の名義変更(相続登記の義務化)何から?空き家の火災保険、入れる?必要な補償は

よくある質問

Q. 借り手がつくか不安です
先に地元の不動産会社2〜3社に、家賃の査定と「貸せるかどうか」の意見をもらってください。無料で見てもらえます。そこで「難しい」と言われたら、売却や解体との比較になります。

Q. 家財が残ったままです
賃貸に出すなら、原則すべて撤去が必要です。→ 空き家の家財、まとめて残すか処分するか

Q. 空き家バンクでも貸せますか
売買だけでなく賃貸も扱っている自治体が多くあります。→ 空き家バンクとは?使い方と注意点

Q. 貸すか売るか決められません
実家を「貸す・売る・解体」どれ?判断の考え方

家賃相場・リフォーム費用・契約条件は地域や物件で大きく異なり、金額は目安です。地元の不動産会社など複数の一次情報でご確認ください。

実際に動くときの相談先

記事を読んで「うちの場合はどうするか」まで進むと、次は実務の相談先が必要になります。実家ノートを運営しているエムズグループでは、愛知・岐阜・三重で次のサービスを行っています。

  • 空き家管理エムズ ── 誰も住まなくなった実家の見回り、通風・通水、庭木や郵便物の確認、写真付きのご報告
  • 便利屋エムズ ── 家財の片づけ、不用品の搬出、家具の移動、離れて暮らすご家族の生活サポート

どちらに頼めばよいか決まっていない段階でも構いません。エムズグループの相談窓口で内容を伺い、担当をご案内します。

本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、医療・法律・税務・不動産取引などの個別の判断に関する助言ではありません。制度・費用は地域や時期により異なります。実際のご判断は、自治体および各分野の専門家にご相談ください。