実家ノートJikka Note
空き家・実家

実家じまい(住まいの終活)、元気なうちに家族で話すこと

実家じまいは、使わなくなる実家を家族が困らない形に整える住まいの終活。元気なうちに話しておきたいテーマと、親への切り出し方のコツをまとめました。

「実家じまい」は、元気なうちの話し合いから

実家じまいとは、いずれ使わなくなる実家を、家族が困らない形で整理していく住まいの終活です。親が元気なうちに方向性を話しておくと、いざというときの負担と迷いが大きく減ります。

話しておきたいテーマ

  • この家を将来どうしたいか(残す・貸す・売る・解体)
  • 大事な物・思い出の品の扱い
  • 重要書類(権利証・通帳・保険)の保管場所
  • お墓や仏壇のこと

切り出し方のコツ

  • 「片付けよう」より「元気なうちに一緒に考えたい」と伝える
  • 一度で決めず、帰省のたびに少しずつ
  • 親の想いを否定しない(”聞く”を大切に)
現場から一言:実家じまいで一番大変なのは、物より「気持ちの整理」です。元気なうちに親の想いを聞けたご家族ほど、後で穏やかに進められています。

話すきっかけは「終活」より「防災」

実家じまいの話は、切り出し方でほぼ決まります。「この家をどうするか」と正面から聞くと、多くの親は身構えます。自分が要らない存在だと言われているように感じるためです。

入りやすいきっかけを挙げます。

  • 防災──「地震のとき、この家具は危ないね」「非常持ち出し袋、どこに置く?」
  • 近所の話──「◯◯さんのところ、家を売ったんだって」
  • 自分の話から──「うちも保険を見直したんだけど、そっちはどうしてる?」
  • 手続きの話──「保険証券ってどこにある?いざというとき探せないと困るから」
  • 孫の話──「この家、◯◯(孫)が来たとき危なくない?」

共通するのは、親を主語にしないことです。「お父さんが亡くなったら」ではなく「災害のときに困らないように」。同じことを話していても、受け取られ方がまるで違います。

元気なうちにしか聞けないこと

判断力がしっかりしているうちでなければ、確認も手続きもできません。優先順位の高い順に挙げます。

聞くこと なぜ今か
この家の名義は誰か 祖父母のままだと、相続が二重になり手続きが非常に重くなる
権利書・登記の書類はどこか 探すのに何日もかかることがある
住宅ローンは残っているか 抵当権が残っていると売れない
土地の境界は確定しているか 隣家との話し合いは、親の代のほうが進む
預貯金・年金の口座 凍結されると、公共料金の支払いが止まる
加入している保険 請求漏れが非常に多い
お墓と菩提寺 本人しか知らないことが多い
この家をどうしてほしいか 希望を聞いておくと、後で家族が迷わない

1番目が最も重要です。名義が祖父母のままの実家は珍しくありません。この場合、相続人が十数人になっていることもあり、放置するほど連絡がつかなくなります。→ 相続した実家の名義変更(相続登記の義務化)何から?

「決める」のではなく「調べておく」

いきなり結論を出そうとすると、話が止まります。次の段階に分けてください。

  1. 情報を集める──名義、境界、ローン、固定資産税の額
  2. 相場を知る──売った場合いくらか、解体にいくらかかるか
  3. 選択肢を並べる──貸す、売る、解体する、そのまま管理する
  4. 親の希望を聞く──「最後までここにいたい」なのか「任せる」なのか
  5. 時期の目安だけ決める──「介護が必要になったら考える」でも一歩前進です

1と2は、親と話さなくても進められます。先に自分たちで調べておくと、話し合いのときに具体的な数字が出せます。「いくらで売れるか分からない」状態では、誰も判断できません。

きょうだいには、早めに共有する

実家をどうするかは、必ず全員に関わります。一部の人だけで進めると、後で必ずもめます。

  • 親と話した内容は、その日のうちに全員へ共有する
  • 誰かが住む可能性があるかを、先に聞いておく
  • 費用の負担をどうするかを、早い段階で話す
  • 親の希望は、本人の言葉のまま伝える(要約すると意図が変わります)

「近くに住んでいるから」という理由で1人が抱えると、決めた後に「勝手に決めた」と言われます。決定ではなく報告の形で、こまめに共有してください。

片付けは、親が元気なうちに少しずつ

実家じまいで最も時間がかかるのが、家財の片付けです。親がいなくなってからでは、何を残すべきかの判断ができません。

  • 危ないものから始める(床の障害物、期限切れの薬、使わない灯油)
  • 親と一緒に、写真やアルバムを見ながら話を聞いておく
  • 「捨てる」ではなく「使う人に譲る」という言い方にする
  • 一度に大量にやらない。年に数回、少しずつ

生前整理と遺品整理の違い、いつ何をする?実家の片付けで親とけんかしないコツ

よくある質問

Q. 親が話に応じません
一度で決めようとしないでください。帰省のたびに少しずつ、雑談の中で触れるほうが進みます。防災や保険の話から入ると、応じてもらいやすくなります。

Q. 何から調べればよいですか
固定資産税の納税通知書です。土地と建物の情報、評価額、名義が分かります。毎年春に届くので、実家で探してみてください。

Q. 誰に相談すればよいですか
名義や相続は司法書士、売却は地元の不動産会社、税金は税理士です。まずは市区町村の無料相談会を使う方法もあります。

Q. 「貸す・売る・解体」の判断がつきません
実家を「貸す・売る・解体」どれ?判断の考え方

相続・不動産・介護など個別の相談は、それぞれの専門家や地域の窓口へ。まずは家族で”方向性”を共有することから。

実際に動くときの相談先

記事を読んで「うちの場合はどうするか」まで進むと、次は実務の相談先が必要になります。実家ノートを運営しているエムズグループでは、愛知・岐阜・三重で次のサービスを行っています。

  • 空き家管理エムズ ── 誰も住まなくなった実家の見回り、通風・通水、庭木や郵便物の確認、写真付きのご報告
  • 便利屋エムズ ── 家財の片づけ、不用品の搬出、家具の移動、離れて暮らすご家族の生活サポート

どちらに頼めばよいか決まっていない段階でも構いません。エムズグループの相談窓口で内容を伺い、担当をご案内します。

本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、医療・法律・税務・不動産取引などの個別の判断に関する助言ではありません。制度・費用は地域や時期により異なります。実際のご判断は、自治体および各分野の専門家にご相談ください。