空き家の電気・ガス・水道を止める手続き|名義・立ち会い・止め忘れの確認
親が施設や入院で実家が空いたとき、ライフラインを止めるか残すかの判断軸を整理。電気・水道・ガス別の考え方と、名義や立ち会いなど手続きの注意点をまとめました。

まず決めるのは「人がどれくらい出入りするか」
親が施設に入ったり入院したりして実家が空いたとき、水道・電気・ガスをどうするかで迷います。判断の軸はシンプルで、これから どれくらいの頻度で人が出入りするか です。月に一度でも換気や様子見に通うなら、全部止めてしまうとかえって不便になります。
目安の考え方
- 月1回以上通う・売却や賃貸を検討中 … 電気と水道は残す
- 年に数回しか行かない・当面は放置 … ガスは止め、電気と水道は最小限で残すか停止
- 解体が決まっている … 解体業者と時期を相談してから停止
ライフライン別の考え方
電気
止めると照明が使えず、冬場の凍結防止ヒーターや換気扇も動きません。防犯上、タイマーで点灯させたい場合もあります。基本料金は数百円〜千円台のことが多く、残す判断をしやすい項目です。
水道
完全に止めると、掃除やトイレが使えません。一方で残す場合は、漏水に気づけないリスクがあります。長期間行かないなら「元栓を閉めて契約は残す」「寒冷地なら水抜きをする」といった中間の選択肢があります。
ガス
使う予定がないなら止めてよい項目です。ただしプロパンの場合、ボンベの引き取りや容器保証金の精算が発生することがあります。再開時に開栓の立ち会いが必要になる点も、通う頻度と合わせて考えます。
手続きで押さえておくこと
- 契約者が親名義のままだと、家族からの手続きを断られることがある(委任状や続柄確認を求められる)
- 止める場合も、立ち会いが必要か・不要かは事業者によって違う
- 口座振替のままだと、止め忘れた基本料金が引き落とされ続ける
- 解体や売却の予定があるなら、その時期から逆算して止める
解約・停止の手続きを、事業者別に
止めると決めたあとの実務です。事業者ごとに、必要なものと立ち会いの要否が違います。
| 連絡先 | 立ち会い | 用意するもの | |
|---|---|---|---|
| 電気 | 契約中の小売電気事業者 | 原則不要(スマートメーターなら遠隔で対応) | お客様番号、住所、契約者名 |
| 水道 | 市区町村の水道局 | 原則不要(メーターが屋外にある場合) | お客様番号、住所 |
| 下水道 | 水道と同時に手続きできることが多い | — | — |
| 都市ガス | ガス会社 | 屋内にメーターがある場合は必要 | お客様番号 |
| プロパンガス | 販売店 | 容器の引き取りで必要 | 契約書、保証金の預り証 |
プロパンガスは特に注意してください。容器と設備の所有権が販売店にあることが多く、容器の引き取りと、保証金の精算が発生します。預り証が見つからないと精算が進まないことがあるので、片付けのときに探しておいてください。
契約者名義の壁
手続きでいちばん止まりやすいのが、ここです。契約者が親のままだと、家族からの解約を断られることがあります。
- 本人が元気な場合──本人から電話してもらうのがいちばん早いです。同席して代わりに話すこともできます
- 入院・入所中──委任状や、続柄が分かる書類(戸籍謄本など)を求められることがあります
- 亡くなっている場合──死亡が分かる書類と、手続きする人の続柄の確認が必要です
- 判断能力が低下している──代理人の届出をしているかで扱いが変わります
必要書類は事業者ごとに違うので、電話で先に確認してから動くのが確実です。「行ってから分かる」だと、二度手間になります。
判断能力の低下に備える方法は、→ 親の預貯金の管理、認知症に備える にまとめています。
口座と支払いの整理
- 引き落とし口座を確認する──親の口座が凍結されると、滞納になります
- 止め忘れがないか確認する──使っていないのに基本料金が引き落とされ続けている例があります
- NHK、新聞、インターネット、固定電話──光熱費と一緒に見直してください。止め忘れの筆頭です
- 固定電話──番号を残したい場合は「休止」という手続きがあります
- 最終の請求書の送付先──実家宛だと届きません。転送か、送付先の変更を
3番目は本当によくあります。誰も見ていないテレビと、誰も読まない新聞に、何年も払い続けていたという相談を受けます。通帳の引き落とし履歴を1年分見て、心当たりのないものを洗い出してください。
止めるときに、事故を防ぐ確認
- 寒冷地の水道──止めるときは水抜きを。しないと配管が破裂します。凍結防止ヒーターは電気が必要です
- 冷蔵庫の中身──電気を止める前に必ず空にする。中身を残したまま止めると、悲惨なことになります
- 解体・売却の予定──業者と時期を相談してから。工事に電気と水道が必要な場合があります
- 浄化槽──使わなくても保守点検や清掃が必要な場合があります。市区町村に確認を
- 再開の手間──ガスの開栓は立ち会いが必要。急に必要になっても、その日には使えません
浄化槽や井戸がある場合は、別の手続きが要ります。→ 実家を空き家に…井戸・浄化槽
止めるか続けるかの判断は、別の記事に
このページは手続きの実務をまとめました。そもそも止めるべきか、続けるべきか——基本料金の目安や、電気と水道を残すことの意味については、次の記事で詳しく整理しています。
→ 実家の水道・電気・ガスは止める?続ける?空き家の光熱費の考え方
よくある質問
Q. 解約と休止(一時中止)は違いますか
事業者によって扱いが異なります。「一時中止」なら基本料金がかからず、再開手続きも簡単なことがあります。解約する前に、休止の制度があるか聞いてみてください。
Q. お客様番号が分かりません
検針票、請求書、通帳の引き落とし履歴から分かります。分からなくても、住所と契約者名で照会してもらえることが多いです。
Q. 遠方からでも手続きできますか
電話やウェブでできる事業者がほとんどです。立ち会いが必要なのは、屋内にメーターがあるガスと、プロパンの容器引き取りくらいです。
Q. 火災保険も見直したほうがよいですか
誰も住まなくなったことを保険会社に伝えてください。伝えずにいると、いざというとき支払われないことがあります。→ 空き家の火災保険、入れる?必要な補償は
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本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、医療・法律・税務・不動産取引などの個別の判断に関する助言ではありません。制度・費用は地域や時期により異なります。実際のご判断は、自治体および各分野の専門家にご相談ください。