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見守り・介護準備

きょうだいで介護の分担をどう決める?もめないための話し合い

親の介護はきょうだいの一人に偏りがち。後で不満が噴き出す前に、早めに具体的な分担を。お金・訪問・手続きの分け方と、もめないための話し合いのコツをまとめました。

自宅の食卓で高齢の母と娘が専門職と話し合う様子

介護の分担は「早めに・具体的に」話すほどもめない

親の介護は、きょうだいの誰か一人に負担が偏りがちです。「近くに住む人任せ」になり、後で不満が噴き出すことも。元気なうちから、具体的に分担を話しておきましょう。

分担の考え方

  • できる人が「できること」を担う(お金・連絡・訪問・手続き)
  • 近くに住む人に偏るなら、他は費用や事務で補う
  • 「平等」より「納得できる形」を目指す

もめないためのコツ

  • 親の希望をまず確認する
  • 情報を共有し、”見えない負担”を可視化する
  • ケアマネジャーなど第三者を交えて話す
現場から一言:介護でこじれる原因の多くは「お金」と「不公平感」です。手を動かす人だけでなく、遠方の人が費用や手続きで支える。この”見えない貢献”を認め合えると、家族関係も守れます。

「大変」ではなく、数字で共有する

話し合いがこじれる原因の多くは、負担が見えていないことです。近くにいる人の「大変」は、遠くにいる人には伝わりません。まず、やっていることを書き出してください。

項目 書き出す内容
時間 週に何時間。通院の付き添い、買い物、電話、書類
回数 月に何回、実家へ行っているか
お金 立て替えている額、交通費、日用品
仕事 休んだ日数、早退の回数
気持ちの負担 夜間の呼び出し、緊急時の連絡先になっていること

1か月分でよいので、記録をつけてから話してください。「月18時間、交通費が1万2千円」という形で出すと、話が感情論になりません。

逆に、遠方の人も「何もしていない」と決めつけないでください。制度を調べる、金銭を負担する、精神的に支える。これも分担です。

分担は3種類に分けて配る

「介護を分担する」と考えると、近くの人しかできません。3つに分けると、全員に役割が生まれます。

種類 内容 向いている人
手を出す 通院、買い物、身の回りの世話、実家の管理 近くに住む人
お金を出す 介護費用、交通費、家事代行やサービスの費用 遠方の人、収入に余裕がある人
頭を使う 制度を調べる、施設を探す、書類作成、事業者との連絡窓口 時間の融通がきく人、調べ物が得意な人

「近くにいるから」だけで全部を負わせないのが原則です。近くの人が手を出す代わりに、遠方の人がお金と手続きを引き受ける。この形が、いちばん長く続きます。

話し合いのやり方

  1. 親が元気なうちに始める──緊急時に初めて話すと、必ずもめます
  2. 親の希望を先に聞いておく──「どこで暮らしたいか」「誰に頼りたいか」
  3. 全員が同じ情報を持つ──医師の説明、要介護度、費用。一部の人だけが知っている状態を作らない
  4. 決めたことを文字に残す──メッセージのグループでよいので、記録に
  5. 期限を切って見直す──「半年後にもう一度話す」。状況は変わります

3番目が特に大事です。近くにいる人だけが医師と話していると、他のきょうだいは「勝手に決めた」と感じます。説明の日を共有し、可能なら電話をつなぐだけで、後の不信感が大きく減ります。

お金の扱いは、最初に決める

介護で最ももめるのがお金です。次の3つを、最初に決めてください。

  • 親のお金を使うのか、子のお金を出すのか──原則は親の年金と貯蓄から。足りない分をどうするか
  • 誰が管理し、どう見えるようにするか──通帳のコピー、家計簿アプリ、月1回の報告
  • 立て替えの精算方法──領収書を残す。まとめて月末に

管理する人が不利益をこうむらないよう、使った記録を残すことが、疑われないための最大の防御になります。親の判断力が落ちてきている場合は、任意後見や家族信託という選択肢もあります。→ 親の預貯金の管理、認知症に備える

それでも折り合わないとき

  • ケアマネジャーに同席してもらう──第三者がいると、話が事実ベースに戻ります
  • 地域包括支援センターに相談する──家族間の調整も相談内容に含まれます
  • できないことは、はっきり「できない」と言う──曖昧にすると、なし崩しに全部が回ってきます
  • サービスを増やして、人手を買う──家族で分けきれない部分は、外に出す

最後の項目が現実的な解決になることが多くあります。きょうだいで押し付け合うより、費用を出し合ってヘルパーやデイサービスを増やすほうが、関係も守れます。→ ヘルパーさんに何を頼める?

よくある質問

Q. きょうだいが話し合いに応じません
まず、決定を求めずに情報だけを送り続けてください。「報告」の形なら受け取ってもらえることがあります。記録が残るので、後で「知らなかった」と言われずに済みます。

Q. 自分だけが負担していて限界です
限界を伝えるのは、わがままではありません。倒れてからでは全員が困ります。→ 在宅介護と施設介護、どう考える?

Q. 仕事との両立が難しくなってきました
辞める前に、介護休業・介護休暇の制度を確認してください。→ 仕事を辞めずに介護を続けるには?

Q. 相続のときに、介護の貢献は考慮されますか
寄与分という考え方がありますが、認められる範囲は限定的です。だからこそ、生前に費用の分担を決めておくほうが確実です。

介護の相談や家族の調整には、ケアマネジャーや地域包括支援センターの活用も有効です。

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本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、医療・法律・税務・不動産取引などの個別の判断に関する助言ではありません。制度・費用は地域や時期により異なります。実際のご判断は、自治体および各分野の専門家にご相談ください。